地殻変動で大海原の果てにポツンと取り残された離れ小島。
自分を表すこんな比喩が思い浮かんだ。
私は小島だ。

どんな島かというと、独自の生態系があって、小さいながらも自活している島。そこでは動植物の固有種が発生し、個性的な進化を続けている。
渡り鳥が新しい種を運んでくる。それらが土に落ちて、固有種と混交しながら成長する。大陸と似たような植物もあれば、全く見たことのない新種も。その多様性のおかげで土にも細菌が増えてきて、見た目以上に複雑な生命の循環システムが成り立っている。
たまに来訪者がある。彼らは大小さまざまなものを残していく。文明の利器、大陸の動物、考え、物語...。人々は無人の島で好きなように過ごして、気が済むと帰っていく。中には荒らしていく人もいるけれど、島全体としてみればそれもまた一つの歴史だ。
気がつけば本があった、言葉があった。島の空気や土は、そういうものに浄化され肥やされている。
ここでは、大陸の通貨や価値観が通用しない。島には島のルールがあって、固有種たち、渡り鳥、来訪者たちが思い思いに動くことでそれは形作られている。
離れ小島はそれでも、大陸や他の島々と同じ地球に浮かんでいる。これは事実だ。大陸と同じ空気、同じ重力、同じルールで生命の循環が行われる。小島は、別の星にあるのではない。
後世の人々がこの小島を発見して、その生態系と大陸とのつながりなどを議論するかもしれない。もしくは、荒地になって枯れはてているかもしれないし、海面上昇で陸地がほとんど残っていない可能性もある。どうであるにせよ、”今の島”にとっては少しも関係のないことだ。今日の島には今日の風が吹いている。
この小さな島を大事に育むこと。同時に、大陸と同じ地球の上に乗って、同じ太陽を浴びていると知っていること。
島自身が自らの土地を荒らしてはいけない。
こんなイメージで、私は私をやっている。
主観はどこにあるのか、はてもうわからない。
(ただの暇人の想像遊びです)

