日本に一時帰国していた方から、どら焼きをもらった。
数か月ぶりに食べるどら焼き。貴重な一口一口の思い出。
まず、ほどよい空腹を待つ。
味がよくわかるように、直前の刺激物は控える。
いただきますと言う。
大きすぎないくらいの一口をゆっくりかじる。
柔らかいスポンジが歯に心地いい。
歯、舌、そして口全体に生地の触感とあんこの甘さがじわっと広がる。
喉を通り抜けるまで続く、幸せ。
うーん、たまらない・・・。
二口目も同じように控えめな大きさの口でぱくり。
口の中に日本の風が吹く。
スポンジの舌触り、甘すぎないあん。
実家のたたみと煎茶の香りがよみがえる。
記憶に刻まれたJAPONの味。
なんて、おいしいんだろう。
最後の一口。
スポンジの隙間の空気さえ逃さないように味わう。
どら焼きのすべてをじわーっと噛みしめて飲み込む。
うーん、最高。
ごちそうさまでした。
「ない」という状況は「ある」を輝かせる。
本当にこう思う。