ダカールから南へ5時間半、隣国ガンビアとの国境付近の村トゥーバクータ(Toubacouta)へ行ってきた。
この地域一帯はセネガルの国立公園に指定されており、広大なマングローブ林で有名だ。セネガルでも特に気に入っている場所の一つで、4年ぶり3回目の訪問になった。
今回は知り合いの宿に空きがあることを確認しただけの、ノープラン一人旅。村でのんびり過ごそうと思い立ち、一泊二日の予定で出かけることにした。
移動手段①
セネガル国内を移動する方法はいくつかあるので、値段や時間、快適さなどで判断して決める。この選択を間違えると、長時間の辛い旅になるから注意が必要だ。
数年前に登場したダカールと各地方を結ぶバスDakar Dem Dikkは、地方都市へ行くのにちょうどいい。(トゥーバクータに行く場合、途中の町まで4000cfa/約800円、そこから乗り合いタクシーなどを拾って諸々3000cfa/約600円)。
席があれば当日でも乗れると聞き、予約なしでDem Dikk発着場へ。乗れたらいいな~くらいに思っていたけれど、現地で尋ねてみるとタバスキ祭りの影響もあってか、すでに満席とのこと。
移動手段②
ふむふむ、そうきたか。では第二の選択肢、大型バス/セットプラス(乗合タクシー)の乗り場へ移動。一人旅だし、焦ることはない。
乗り場でそれぞれの値段を聞いてみると、大型バスは4000cfa(約800円)、セットプラスは7000cfa(約1400円)でトゥーバクータまで行けるらしい。
(セットプラスはこんな感じ)
どちらにしようか迷ったけれど、その安さに惹かれ今回はバスを選択。
私が来たときまだ席はガラガラだったので、近くを散歩しながら乗客が集まるのを待つ。いつ目的地に到着するのか読めないところが、セネガル・アフリカ旅の醍醐味だ。
順調な滑り出し
数時間待つことも覚悟したが、バスは途中で乗客を拾いながら行くようで、案外すぐに出発。ラッキー。座り心地は文句なしで、むしろセットプラスよりいい。ラッキー。車内の暑さも心配していたが、早朝の涼しい風がビュンビュン抜け、かなり快適。ラッキー。
バスはキツイかもしれないと思っていたけど、全然そんなことない!と満足しながら、うとうとしていた。
問題?発生
しかし、しばらくして、あれっ。
おなかの調子がよくないな…。大丈夫かな。まあ寝ればまぎれるよね。うんうん、問題ない。…いや、やっぱりおかしい。トイレに行かなきゃ。今はどこ?まだ5、6割しか進んでないのか。どうだろう、村までもつかな、いや…ダメ。
……ダメ!絶対トゥーバクータまでもたない。
ところで、5時間以上のバス移動なのに、どうして一度もトイレ休憩がないの?みんなどうしているの?おなかのグルグルとともに焦りはつのる。冷や汗も出てきた。バスは一向に止まる気配がない。もう少しで大きな町を通るけど、まさかここでも休憩なし?
この町を逃したら、おそらく、緊急停車して「道端」しかなくなる。まずい。
こうなったら、ためらってはいられない。隣の席のお兄さんに「あの、すみません、次の町でトイレ休憩できますか?おなかが・・・」必死の形相で助けを求める。
お兄さん、「行けると思うよ、聞いてあげるから待ってて」。運転手に伝えてくれ、次の町で停まってくれることに。しかし、やっと町に入ったと思ったら、渋滞、渋滞!なぜ。はやく着いて…。
しばらくして町はずれのガソリンスタンドでようやく停車。しかし、もうほとんどおなかの限界だ。ちょっ、ともう無理かもしれない。
お兄さん「どこかわかる?ついていこうか?」「お願いしま!!!」(移動)「あそこだから!行ってきな!!」「ありがとう!!」
本当に数十秒の分かれ目、ぎりぎりで間に合った。
出会いに感謝
バスの外で待ってくれていたお兄さん、心配してフルーツをたくさん買ってくれた。実のところ原因は前日の食べ過ぎで、ただトイレへ行きたかっただけなのだけれど。親切にしてくれた彼は、命(トイレ)の恩人だ。
ほどなくしてバスは再出発し、そこからはもう快適。先に降りるお兄さんに、「ダカールでレストランやっているので何かあれば連絡ください、本当にありがとう!」と伝え、別れた。
旅の出会いは一期一会だ。
そんなこんなでトゥーバクータ付近に差し掛かり、「降りまーす!(自己申告しないと止まってくれない)」と言ってバスを止め、下車。
懐かしの村へ到着だ。(つづく)