正月休みを利用して、久しぶりのセネガル国内旅行に行ってきた。
行先はダカールからバスを乗り継いで5時間弱、ロンプールという砂漠の町。
長距離移動はダカールDemDikkというバスを利用。目的地近くのケべメルという町まで行って、そこからは小さな乗り合いバスでロンプール村へ向かう。村でホテルの人と合流し、ほどなく滞在先に到着。
〈メモ〉
ダカール⇒ケべメル(DemDikk 3000cfa)
ケべメル⇒ロンプール村(乗合バスなど700-1000cfa)
村⇒ホテル(送迎)
砂漠だ。じりじりした日差しと、砂っぽい熱風がからだにあたる。思ったより砂が深くて、足がはまって歩きにくい。
反対に木陰は気持ちがいい。涼しい風が通るし、足元の砂は意外にも冷たい。日に当たっているところの砂はかなり熱いのに、影に入るといきなりひんやりする。砂は太陽に従順だ。
私が泊まるのはこれぞ砂漠(?)という感じのテント。入ってみると、トイレやシャワーも備え付けられていて想像以上に快適だ。ちなみに鍵などはなく、布一枚の簡易ハウス、という感じ。
散歩をする。ホテルの周りは木や草が生えていて、一帯が砂漠のオアシスだ。初めての砂漠、五感に受け取るすべてが面白い。砂山の中にアリを見つけたり、砂丘を登ったり、風にあたったり、からだ全体で砂漠を感じる。
夜、上を見上げると満天の星空。こんなにきれいな星、今まで見たことがない。宿泊者向けにジャンベの演奏をやっていたけれど、私はそっちのけで砂漠に寝そべり、夜空を眺める。空一面、星で埋め尽くされている。
近くに光があると、遠くの星が見えなくなる。電気はなんでも照らすけれど、大切なものを見えなくすることがある。
ところで砂漠の昼夜の気温差はすごい。昼間は刺すような日差しで暑かったかと思えば、夜は厚着をしてもぶるっとくる寒さ。星を見ていたけど、最後は寒くてテントの中へ逃げた。
早朝、日の出前に起きたので少し遠くまで歩く。空が次第に明るくなるのに合わせ、いい日の出スポットを探して着席。最高の朝日を独り占めする。
太陽が昇ってからも、しばらく座って風や砂と戯れる。砂をよく見ると、薄茶や茶、黒などいろいろな色の粒がある。全部同じじゃなくて、数種類の砂粒が混ざっていると知る。それにしても、この一粒一粒が集まって目の前の広大な砂漠になっているなんて、不思議だ。
太陽や星や砂山のような大きなものに圧倒される一方、鳥やバッタ、ハエ、アリなど砂漠で生きる小さな生物たちにも驚きが止まらない。この環境で生きている命たち。
砂には足跡がたくさん残っている。一つ一つじっくり見て、どんな姿の生き物か想像するのもたまらなくワクワクする遊び。
砂漠の面白さたるや、いくらいても飽きない。私は人の中にいるよりも自然の中にいる方が好きだし得意だ、と思う。一人で子供のように遊んだ。
砂漠の真ん中に身一つで投げ出されても、豊かな感受性さえあれば充実した時を過ごせる。知識、思索、経験、どれかに偏るのはよくなくて、本で見て、頭で考えて、実際に行って感じる。
このすべてが合わさった時に、世界の核心部分が深く理解できるのだと思う。