西アフリカ・セネガルのレストランで、豚骨ラーメンを新メニューとして出すことにした。
アフリカでラーメン? …聞きなれない組み合わせかもしれない。
でも実は、私の働くセネガルの日本食レストランではすでに3種類のラーメンを提供している。
味噌ラーメン、タンタンメン、冷やし中華。特に味噌ラーメンは人気メニューの一つになっているくらい、RAMENはアフリカで受け入れられている。
ここに新メニュー「豚骨ラーメン」を加えたので、今回はその話をしたい。
イスラム圏で豚料理?
そもそも、セネガルはイスラム圏だ。国民の90%がイスラム教徒のこの国で豚骨ラーメンを出す、というのは大きな試みといえる。
国として豚やアルコールを禁止しているわけではないけれど、イスラム教徒のお客さんやスタッフにはもちろん配慮が必要だ。豚肉の調達も、普通のマルシェではなく特定の仕入れ先から配達してもらうなど、ほかの肉とは少し違っている。
一方、レストランの客層としては、アフリカ系の人だけでなくヨーロッパやアジアからの方も多く、豚料理の需要はある。実際、以前から出している「豚の角煮」は人気だし、これまで「豚のラーメンはないですか?」ときかれることがよくあった。
需要があることに加え、セネガルで豚骨ラーメンを出している店は(おそらく)まだ一つもない!ということなど考え、今回新メニューに加えることにした。
試作をする ~スープ、割り下、香味油、チャーシュー、麺
豚骨ラーメンをメニューに加えるべく、試作をしていく。
・まずは肝心なスープ。豚の角煮用にさばいて出た豚骨から、じっくりだしを取る。
・割り下(タレ)も、セネガルでそろう材料を中心にいろいろなレシピを参考にして調合。
・香味油はこちらで手に入らないので、ごま油などを合わせて手作りする。
・チャーシューも今回のために一から作る。肉をくるくる巻いて、糸で丁寧に巻いていく。
・麺はその他のラーメンメニューと同じ、手打ちの麺を採用。やっぱりこれが一番おいしい。
スープとタレの割合など、細かい調整と試食を繰り返し、ついに完成!
(行程の多さから、日本のラーメン屋さんってすごいなあとしみじみ思った。)
お客さんの反応
SNSで大きく周知したこともあって、出だしは順調。たくさんの注文が入り、売り切れる日もあった。
お客さんの内訳としても偏りはなく、アフリカ、ヨーロッパ、アジアのいろいろな国の方が食べに来てくれている。前に「豚ラーメンありますか?」ときかれたときも感じたけど、改めてTONKOTSUの認知度の高さがわかった。豚骨ラーメンは世界の味だったのか、とここアフリカでびっくり。
今後、お客さんの声もききながら改良を加え、さらにおいしいラーメンを目指したい。
私たちのレストラン
最近は、日本人旅行者の方が立ち寄ってくださることが増えてきたと感じる。世界の人に日本食を知ってもらう、食べてもらうというのはもちろんだけど、このレストランがアフリカにいる日本の方にとって一息付ける場所になれば嬉しい。
セネガルに来られた際には、ぜひお立ち寄りください。