セネガルで暮らしながら

アフリカでのささやかな日々の中、ふと思ったことを書いています

風の吹く季節

ハルマッタンの季節になった。 ハルマッタンとは、西アフリカを中心に吹く乾燥した季節風で、サハラ砂漠からたくさんの砂埃を運んでくる。多い日には数百メートル先もぼやけて見えるほどで、少し外を歩くだけで砂が喉に引っかかる。 掃除をしてもしても部屋…

「世間知らず」でいい

別の惑星に住んでいるみたいだ。 セネガルで生活していると、日本の情報に触れる機会がほとんどない。TVや新聞が身近になくなったので、最近のニュースをよく知らないまま過ごす日々だ。 たまに人から聞いたりスマホで見たりしても、時間差が出るのでタイム…

移住して体重が増えた話

体重が増えた。正確に量ったわけではないけど、移住前に比べると見た目にもわかるくらい増えている。 ガラリと違う環境で生活リズムを一からつくっていった結果、この暮らしに合う身体に変わってきたようだ。 不健康になるのは困るけど、健康的に少し肉がつ…

師走のセネガルと支援物資

最高気温32℃、最低気温23℃、湿度30% 12月10日、師走のセネガル。 気候変動の影響かはわからないけど、この時期にしては例年より暑いそうだ。 あいかわらず昼間の日差しは刺すように強い。それでも湿度は大幅に下がったので、ここ数か月のじめじめした暑さに…

読書あれこれ

自宅兼職場の本棚が充実している。 在セネガルの法人団体から譲ってもらった本もあり、ちょっとした図書館だ。 自分の選書でない分、これまで気になっていたけど読んでいなかった作家や読みなれないジャンルなど、新たな本との出会いが楽しい。自分が気に入…

ゆったり存在する

「ゆったり存在する」 …今の自分にしっくりくる言葉が見つかった。ノートやスマホのメモにつらつら文章を書いていると、ふとこういうことがあって嬉しくなる。 意識のどこかでは思っていたのだろうけど、頭で考えただけでは出てこなかったような、そんな言葉…

アフリカで豚骨ラーメン始めました

西アフリカ・セネガルのレストランで、豚骨ラーメンを新メニューとして出すことにした。 アフリカでラーメン? …聞きなれない組み合わせかもしれない。 でも実は、私の働くセネガルの日本食レストランではすでに3種類のラーメンを提供している。 味噌ラーメ…

11月、最近のことなど②

数日ぶりにブログを書こうとしたらいろいろ出てきたので、「最近のことなど」再び。 ・欲望を刺激してくるスーパー スーパーに行くたびいつも思うのだけど、本当にいろいろなものがあって(当たり前)驚く。まだ道端には露天が多いセネガルだから、スーパー…

11月、最近のことなど①

タンクトップで寝て汗をかかないくらい、朝晩だけは過ごしやすくなってきたダカール。それでも昼は30度くらいになるけれど、湿度が低くなったので体感温度はこれまでと全然違う。快適な気候まで、あと少しだ。 最近のことなど ・職場のスタッフ同士のけんか …

つぶやき

思うに、すべての人が自分の人生を、自分に与えられた時間をしっかり丁寧に生きることができたら、この世の中はもう少しきれいにうまくいくんじゃないか。 すでに自分が持っているもの(心や時間、からだ、生活環境、もの、願望、文化など)を省みて、それを…

セネガルの人々

世界中どの町でも「なにもない」なんてことはなくて、目の前のものをどれだけ丁寧にみるかなんだと思う。 イスラムの歌を口ずさむおばあさん 日曜の早朝、近所の広場までふらりと散歩し、一休み。 まだ車通りも少なく心地よい静けさの広場には、少し向こうに…

創作する

この歳になってようやく、作品を創る楽しさがわかってきた。 数年前から書きためていた詩を、一つの詩集にまとめる作業を始めた。完成しても特に社会へ向けて発する予定はないけれど、逆にその目的のないところがミソだったりする。 誰に言われたわけでも、…

野菜の話

セネガルの野菜事情 野菜は地元のマルシェで買うのが定番で、住居兼自宅のレストランでまとめて発注している。スーパーにももちろん置いてあるけど、どうせ買うならマルシェの顔なじみの店に行きたい。 値段 野菜の値段は、旬、雨季や乾季、イスラム教の行事…

「余裕」という言葉のふしぎ

お金がない。月末頃になるにつれ、お金の余裕がなくなってきた。軽率な出費ができないので、買い物は来月まで控えることにする。 とはいいつつも私、この状況に焦りやひもじさがあるわけではない。心はいつもと変わらず穏やかだ。 実は私、この「お金に余裕…

料理を待つ湯気は、世界共通の言語

スタッフが日替わりでアフリカ料理をつくって、みんなで囲む。職場で過ごすこの時間が気に入っている。 雑談をしながら待つ、ご飯ができるまでの時間。少しづつ出来上がっていく料理のいい匂いに、適度な空腹感が合わさって食欲がわいてくる。 ご飯を待つ湯…

ベンチに座る

今日も朝が来た。一日が始まる。 数週間前から、「朝ドリンクを片手に家の前のベンチに座る」という習慣を始めた。 何かを考えたり、何も考えなかったり。 道行く人をみたり、鳥の声を聴いたり。 風を感じたり、蚊に刺されるまま放っておいたり。 特に何でも…

香山哲さん『ベルリンうわの空』が好き

好きなマンガ、香山哲さんの『ベルリンうわの空』シリーズ。 ドイツのベルリンに移住した著者の、ふんわりした日常が描かれている。 ベルリンうわの空作者:香山 哲イースト・プレスAmazon 同じく海外に住むことにした一人として、暮らし方や考え方の部分を参…

静かな怒り

めずらしく、怒りの感情がわいた。 原因は、仕事の同僚のアジア人をからかった言動。 何度もそれはダメ、やめてほしいと注意したにも関わらず、冗談のつもりで言い続けられてさすがに聞き流せなかった。 自分でも自分の感情にびっくりしている。 町を歩くと…

アミナタ・ジョップ

私には、セネガルで通るもう一つの名前がある。 「アミナタ・ジョップ」 イスラムの女性の名前(アミナタ)と、セネガル一帯に多い苗字(ジョップ)の組合せで、現地の友人につけてもらった。 以来、時と場合にもよるけど「セネガルネームはアミナタです」と…

「シェア」の精神

「余裕のある人がモノやお金を共有する文化」 セネガル(アフリカ全体)にはこの考え方がある。 例えば、ご飯を食べているときに誰かが通りかかったら、必ず「一緒に食べよう」と誘う。自分の取り分が少なくなっても一人で食べることはせず、みんなで分ける…

セネガルの風景

●ある日の朝、ゴミ出しをしようとしたときのこと。 (セネガルの家庭ゴミは、巡回する収集車まで自分で持っていくスタイルだ) 重たいゴミ箱を女性だけで持っていたら、通りすがりのお兄さんが無言でさっと担いで、収集車のところまで運んでくれた。 考える…

最近の休日

9月も後半になって、一段と暑くなってきたセネガル。これまでも相当暑かったけれど、なんとこのピークは10月だそう。湿度のあるじめじめした暑さ、心して乗り越えたい。 9月の休日、やったことの記録 料理パーティー コンゴ人の友人に母国の料理を作ってもら…

日常を送る

あいかわらずの毎日だ。体調不良ではないけれど、なんだか調子がでないなあ、という期間があった。 日常になったセネガルで、一住人として、ささやかな毎日を送る。ぼーっとしたり、目をつむったり、雨の音をきいたりしよう。 最近考えたこと(メモ) ・今の…

ネコがひかれていた

ここでは、動物の死を見ることが多い。 車にひかれても道端に放置されることが多く、ウジがわいたりハエがたかっていたりする。慣れないうちはうわっとなっていたけれど、今はもう普通の光景になってしまった。 またある時には、近所をぼーっと散歩中に、羊…

本を読む

読書が好きだ。 どのくらい好きかというと、海外移住を考えたとき気がかりに思った唯一のことが、読書環境だったくらい。Kindleも持ってはいるけど、やっぱり紙派の私にとっては、海外で定期的に本が手に入らないことが心配だった。 だから、出国の時にはほ…

アフリカで食べるどら焼き

日本に一時帰国していた方から、どら焼きをもらった。 数か月ぶりに食べるどら焼き。貴重な一口一口の思い出。 まず、ほどよい空腹を待つ。 味がよくわかるように、直前の刺激物は控える。 いただきますと言う。 大きすぎないくらいの一口をゆっくりかじる。…

雨季のダカール

7月末頃から、セネガルは雨季だ。今年は比較的降水量が少ない方みたいだけど、一度ザァーと降ると道路は水と泥であふれて、ぐちょぐちょになる。 こちらではあまり傘やカッパを見かけない。雨が降っていたら一度雨宿りするか外出をやめるからだと勝手に思っ…

言語のこと

日常生活で使う言語の割合は、 日本語50%フランス語45%ウォロフ語5% という感じ。 日本人と共同生活をしているということもあり、ちょうどいいバランスになっている。 フランス語 フランス語はセネガルの公用語であり、レベルの差はあれほとんどの人が話…

本当の「大丈夫」

家路に向かう人やマルシェを行きかう人にまぎれ、夕暮れのセネガルをゆっくり歩く。 身内のいない、言葉も文化も全く違う異国の町で、お金・スマホなどは持たず、行き先も決めず、思い立った曲がり角を好きに曲がる散歩。 散歩中の、世界中の誰ともつながっ…

認知機能フル活用

セネガルの道路には信号が少ない。中心部でたまに見るくらいで、その他は交通整理の人が笛でピーピー誘導してくれていればよい方。それ以外の場所では、運転手や歩行者の判断ですべてが動く。ダカールの道路は、いつもひどく渋滞している。 車と車、車と人の…